2021年11月1日、立命館大学びわこ・くさつキャンパスの生協食堂にて、1ヶ月間のヴィーガンフェアがスタートしました。

立命館大学びわこ・くさつキャンパス
生協食堂ハラールコーナー

京都、大阪、滋賀にキャンパスを持つ立命館大学。

今回はその中で滋賀県草津市にある「びわこ・くさつキャンパス」にて、ヴィーガンメニューが登場です。

石焼マーボー丼 ソイミート餃子付き

今回のフェアでお披露目されるヴィーガンメニューは、「石焼マーボー丼 ソイミート餃子付き」です。みそ味の効いた甘辛マーボー豆腐がくせになるアツアツの石焼丼と、今話題のソイミートが入った餃子のセットメニュー。価格は440円(税込)。

本キャンパスの生協食堂には、食の多様性に配慮したメニューの提供を行う「エスニック・テイクアウトコーナー」または「ハラールコーナー」と呼ばれる場所があります。こちらで11月の1か月間、ヴィーガンメニューを楽しんでいただくことができます。

期間限定ではありますが、動物性食材不使用であることを明記したヴィーガンメニューは、立命館大学では現在のところこの場所でしか食べられません。またこちらの食堂は、一般の方にも利用して頂けます。一日の販売数に限りがあるため、お早めに!

※営業時間等の詳細は記事後半でご確認ください。

フェアメニュー「石焼マーボー丼 ソイミート餃子付き」

年に及ぶヴィーガンメニュー導入の活動

今回のフェアは、立命館大学発の学生団体 LiNK が、NPO法人ベジプロジェクトジャパンのサポートの元で本学生協に働きかけたことで実現しました。

その活動のスタートは、昨年の2020年10月に遡ります。
LiNKのメンバーがベジプロジェクト川野陽子代表に大学へのヴィーガンメニュー導入について初めて話をしたのがこの時期でした。その後、立命館大学の別の学生から偶然にもベジプロジェクトに同じような問合せがあり、有志の学生が集まって同年11月より本格的にヴィーガンメニュー導入に向けた活動が始まりました。

企画書提出に始まり、大学生協との定期的なオンラインミーティング、ベジプロジェクトを通じたヴィーガンの食材や食品業者の紹介、利用者のニーズを理解するためのアンケート調査、メニュー提案、フェア実施に向けた掲示物の作成など、ヴィーガンメニュー導入実現のための活動は、LiNKに所属する学生の予想以上に多岐に渡るものでした。

初めて導入の提案をした時から、生協の方々は前向きな考えを示してくださり、当初は2021年6月にフェアを開催する予定で話が進んでいました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行によって授業のオンライン化が進むと、食堂でのフェアの実施も厳しい状況になってしまいました。度重なるフェア延期を経験しましたが、それでも「食堂は学生の思いを表現する場でありたい」という本キャンパス生協統括の方のご厚意もあり、活動開始から1年を経た2021年11月に動物性食材不使用のメニュー導入が実現しました。

メニュー試食会・写真撮影会風景

学生の身近なところで選択肢を増やしたい

LiNKに所属するメンバーの中には植物性中心(プラントベース)の食生活を実践する学生が多く、「学食で食べるものが無い…」という悩みを共通に抱えていました。立命館大学は留学生数も多く、「出身国のドイツではヴィーガンだったが日本に来てその食生活を続けるのが難しくなった。日本にいる間はヴィーガンでいることを諦めた」という話を聞くこともありました。多様な食の在り方を受容できる環境づくりを目指したい、そんな思いがLiNKの活動の大きな原動力になりました。

また、植物性の食の選択は、環境問題解決につながる身近にできるアクションの1つでもあります。「気候変動など地球規模の課題は自分事として捉えるのが難しいけれど、日々の食事との関係性を知ってもらうことでより関心を持ってもらえるのではないか」。そんな思いから、今回のフェアのために学生たちによって作成されたポスターには「1食をヴィーガンに変えると節約できるもの」が紹介されています。環境問題にとどまらず、健康的な食生活や工業型畜産の実態など、食とつながりのある様々な事柄に目を向ける機会になればという願いが込められています。

学生により制作されたフェアポスター

活動の中で出会えた人たち

「どんなヴィーガンメニューが出せるのだろうか。」そんな手探り状態だった活動当初、LiNKにとって他大学の学生との交流もヒントになりました。京都大学では、ヴィーガンに関わる活動を既に始めていた学生がいました。彼らは学食への提案を予定していたメニューの共有をはじめ、活動を進める上で参考になるアドバイスをLiNKに提供しました。

また、食の多様性が日本よりも重視されているアメリカのウェズリアン大学に留学をされていた方からも情報を得ました。たとえば、ウェズリアン大学で実際に提供されているヴィーガンメニューや、学生と食堂との関わり方についてです。

さらにLiNKは、大阪大学で同様にヴィーガンメニュー導入を目指す学生と会う場を設け、これまでの活動の中で得た経験を話合いました。ベジプロジェクトを通じて同じ志をもった全国の学生と繋がる機会が生まれています。

LiNKのメンバーからは、次のようなコメントを頂きました。

「活動当初は予想もしていなかった本活動を通した多くの方々との繋がりは、とても貴重なものです。『ヴィーガンメニュー導入の思いをもっているのは自分たちだけじゃない』と感じられたからこそ、応援してくれる方々と出会えたからこそ、ここまで活動を継続できたのかもしれません。」

ヴィーガンメニューのみを提供する食堂もある Wesleyan University
出典:Wesleyan University

学生がこれから目指すもの

11月1日よりヴィーガンメニューの提供が始まりましたが、LiNKは今後もヴィーガンの選択肢を広める活動を継続していきます。このびわこ・くさつキャンパスでは、メニューを変えて12月にも1ヶ月間ヴィーガンメニューが提供される予定です。また京都の衣笠キャンパスでも1週間限定で11月後半に動物性食材不使用のメニュー中心のフェアを実施することが計画されています。

限定的な提供にとどまらず、ヴィーガンメニューが学食に常にある状態を作るのがこれからのLiNKの大きな目標です。また、大学という枠を超えた企業や団体との取組みや、オンライン・オフラインイベントの実施など、様々な角度から「食の多様性」や「食と持続可能性のつながり」について、より多くの方々に考えてもらえる機会の提供を目指しています。

メンバー写真 生協食堂の藤本店長と共に

本取組みに関するお問合せや、何か一緒にやってみたいといったご相談は、LiNKのInstagram、Facebookまで。また現在LiNKではともに活動してくれるメンバーも募集中です。ヴィーガンでない方も大歓迎!まずはお気軽にお問い合わせください。

【学生団体 LiNK 詳細】
IG:https://www.instagram.com/link_rits/
FB:https://www.facebook.com/link_rits-107671234809809

【フェア詳細】
・提供メニュー:「石焼マーボー丼 ソイミート餃子付き」
 *餃子を揚げる際は動物性食材を揚げたものと同じ油を使用しています。
・価格:440円(税込み)
・提供場所:立命館大学びわこ・くさつキャンパス ユニオンスクエア2F ハラールコーナー
 *キャンパスへのアクセス:JR「南草津駅」より「近江鉄道バス 立命館大学行き/経由」乗車後約20分
・期間:2021年11月1日~11月30日
・ハラールコーナー営業時間:月〜金 11:30-14:00

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