かつては江戸幕府公認の遊郭として栄え、浮世絵の題材としても有名な吉原で、明治38年に創業した「桜なべ中江」。110年を超えて馬肉料理を提供する飲食店として営業を続けてきました。風情のある建物は、国の有形文化財にも指定されています。

世間の食文化も変わりつつ、食の多様性も求められつつある中、桜なべ中江は2024年3月に約2年をかけて完成させたヴィーガン仕様の桜鍋の提供を開始しました。NPO法人ベジプロジェクトジャパンヴィーガン認証を取得し、動物由来の食品を取らないヴィーガンの方やベジタリアンの方、馬肉が苦手な方でも楽しめる、新しい「桜鍋」の形が実現しました。

前菜、桜鍋、そして「あとご飯」

今回は、「ヴィーガン桜鍋のランチセット」を頂きました。前菜3品、桜鍋、あとご飯がついて、3800円(税込み)です。

前菜は、馬刺しならぬ湯葉刺し(湯馬刺し)、お漬物、そしてヴィーガンの一品。このヴィーガンの一品は日によって変わりますが、この日は食べ応えのある大豆ミートで作ったミートボールでした。お漬物は、桜なべ中江で百年以上受け継がれる米糠床で作られた自家製のぬか漬けです。

ヴィーガン桜鍋には、スライスされた大豆ミート、ザク、そしてすき焼きの溶き卵に代わる豆乳が付きます。ザクの素材はしらたき、麩、しめじ、江戸菜などの野菜です。桜鍋の割り下(調味した煮汁)は味噌ベースで甘さとコクがあり、その割り下で煮込まれた素材には旨味が染み込みます。大豆ミートとザクをぐつぐつと煮込んだ後、豆乳につけて食べます。豆乳につけることで、味も温度もちょうど良くまろやかになります。

鍋を食べ終わった後には、ご飯と残りの豆乳を割り下の残る鍋に加え、煮込むと特製リゾットが出来上がります。

ご飯は、こだわりの「秋田県大潟村特別栽培米あきたこまち」です。美味しい白米は割り下と豆乳を吸い込み膨らみます。強火でふんわりと仕上げると、旨味たっぷりのまろやかなシメを楽しむことができます。

今回はランチ時間に訪問しましたが、ディナー時間でも個別にヴィーガンメニューを注文することができます。

お店に引き継がれた歴史を、より多くの人に届ける

桜なべ中江では、お料理を通じてはもちろん、店内を見回しても、またその空間にいることでも歴史を感じることができます。席につきながら、江戸時代後期の著名な画家である谷文晁の絵や、有形文化財として登録されている建築物そのものを堪能しながら味わうヴィーガン桜鍋。ヴィーガンという新しさと歴史が合わさり新たな価値を楽しむことができるでしょう。

ヴィーガンメニューが導入されたことで、ベジタリアンやヴィーガン、そのほか馬肉を食べない方でも、先祖代々引き継がれた桜なべ中江の歴史に触れる体験ができるようになりました。

各テーブルに配置されている注文用タブレットには、ヴィーガンメニューが分かりやすく表記され、誰でも迷わずに気軽に注文できるよう工夫されています。

ディナー時のメニュー

ヴィーガンやベジタリアンの方と食事をする際や、プラントベースの食事に関心のある方へのおもてなしに、桜なべ中江のヴィーガンメニューをご利用してみてはいかがでしょう。お酒メニューも充実しています。

四代目店主の中江白志氏

【店舗情報:桜なべ中江】
所在地:〒111-0021 東京都台東区日本堤1-9-2
TEL:03-3872-5398
営業時間:平日 17:00~22:00(21:30 L.O.)、土日祝 11:30~21:00(20:30 L.O.)
公式HP:https://sakuranabe.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/nakae_sakuranabe/
公式Facebook:https://www.facebook.com/nakae.sakuranabe

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