沖縄は人気なバケーションスポットですが、最近は「ブルー・ゾーン・ダイエット」という沖縄の健康的な食生活が海外で話題です。
2019年に流行り始め、「ブルー・ゾーン・クックブック」がベストセラーとなり、ユーチューブビデオ:「ブルー・ゾーン・ダイエットを試してみた」も95万回以上視聴されています。
この「ブルー・ゾーン・ダイエット」とは、寿命が一番長い世界各地の食生活の研究を元にしていて、その5つの「ブルー・ゾーン」地域の中に沖縄が含まれています。
このグラフを見ると沖縄の伝統的な食生活はほぼヴィーガン(つまり、動物性原料を使わない食生活)で、97%のカロリーが植物由来です。その中でも67%はサツマイモで、これが長寿の秘訣の一つだそうです。サツマイモは繊維質、タンパク質、ビタミンA、C、E、カリウム、カルシウム、鉄分が豊富で、イモ類の中でもグルテンが特に低いそう。炎症をおさえる効果もあります。(1)
サツマイモのようなスーパーフードが食生活の大部分をしめていれば、長生きもできそうですよね。(2)
また沖縄は豚肉が有名かもしれませんが、豚はもとより特別な時のみ食べられる食材だったそう。総じて寿命が長い日本では、魚は健康的な食べ物というイメージが強いですが、沖縄は日本の他の地域と異なり、魚の消費量は少ないです。さらに日本の他の地域と違う点は、ご飯が少なめである点と、アジア大陸からの影響をより多く受けたことでターメリック、フーチバー、ヒハツ、ウイキュウなどの香辛料もよく使われる点です。(1)
しかし実は今の沖縄は都道府県の中で特に寿命が長いわけではありません。沖縄の男性の平均寿命は全国第36位までランクダウンしています。
この変化の大きな原因の一つは沖縄の西洋化です。駐日米軍基地の7割以上が沖縄にあり、西洋ファストフード店が至る所にあります。そして第二次世界大戦後の沖縄の食生活は下のグラフのが示すように西洋化されました:
サツマイモの消費量が急激に減った一方、パンの消費量が増え、脂肪の消費量が4倍以上に上がりました。コレステロールも塩分も上がりました (1)。このような食生活の変化で沖縄の若者は、沖縄の高齢者に比べて肥満や慢性疾患になる確率が高いのです。
実は今日本で一番平均寿命が長い都道府県は長野県であり、全国で一番野菜の消費が高い都道府県だそうです。(the japantimes の記事参照)
食物帝国主義の記事でも話しましたが、帝国主義は様々な形で存在します。文化の影響や変化、食生活の西洋化も帝国主義の一部と言えるのかもしれません。
以上の点を踏まえ、この機会に昔からある伝統的な食生活に寄り添いながら健康を考えてみてはいかがでしょうか。健康の秘訣は日本で代々食べられてきた野菜や伝統的な食事にあるのかもしれません。
出典:
(1)The Okinawan Diet: Health Implications of a Low-Calorie, Nutrient-Dense, Antioxidant-Rich Dietary Pattern Low in Glycemic Load
(2)Okinawa, Japan Secrets of the world’s longest-living women.