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環境白書に「代替肉」が登場。環境省庁舎の菜食メニューをレポート

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環境省が毎年発行する環境白書の令和3年度版で初めて代替肉に関する記載がされました。「食と環境とのつながり」の項で、食の生産から加工、廃棄までのライフサイクル全体において、環境への負荷を意識することが重要であると明記されました。畜産業に関連する温室効果ガス排出量の多さが指摘され、私たちが毎度の食事において、何を食べるかの選択が積み重さなると環境に大きな影響を与えることが指摘されています。

それに続く「食の一つの選択肢としての代替肉」のコラム(83P)では、世界的に環境志向や健康志向等、食に求める価値観が変化していることを背景に、日本でも植物由来の代替肉を使った商品を目にする機会が増えている状況を紹介しています。代替肉の選択肢があることが価値あるものと、本白書で明示的に位置付けられたと言えます。小泉進次郎環境大臣もご自身のオフィシャルサイトブログフェイスブックで代替肉についてコメントを発信されています。大臣もヴィーガンの食事をされることがあるようです。

環境省内には菜食の選択肢がある食堂があるということで、今回、特別にその食堂の菜食ランチを取材させていただきました。

菜食対応の食堂

環境省と厚生労働省が入る霞が関の合同庁舎5号館にある中華料理店「龍幸(りゅうこう)」(ロイヤルコントラクトサービス株式会社)が、動物性原材料を使わない菜食の定食を提供されています。霞が関では内閣府・気象庁に続いて3番目に菜食メニューを導入した食堂です。はじまりは、昨年度に環境省職員の有志によって菜食メニューの提案がなされたことから。もともと、化学調味料の使用を避け、できる限り有機野菜を使用してきたヘルシー志向の同店は、その提案を快諾されたそうです。料理長は、人気のヴィーガンレストランに足を運んだりもして、菜食料理を勉強したのだとか。そして、ヴィーガンに対応した砂糖や調味料、野菜ブイヨン等を取り寄せ、大豆特有のにおいが少なく中華料理に相性の良い大豆ミートを選りすぐって、メニューを開発されたそうです。

試行期間と職員アンケートを経て、4月から堂々と菜食の「健菜定食」が登場。週替わりで6種類(2021年7月時点)が用意されています。職員の中には、週に1回動物性の食事をお休みするミートフリーマンデーにチャレンジする方もいらっしゃるそうです。

中華料理店「龍幸」から眺める日比谷公園

菜食の中華メニュー

取材した週は、「五穀米粥」の定食でした。生姜が効いたドレッシングで食べるサラダ、トマトと豆腐が入った酸辣湯スープ、添え物3品(オクラの練りごまソース和え、大根を八角と粒山椒で漬けた中華の漬物、大きな大きな梅干し)、マンゴープリンが付いてきました。お粥はシンプルという先入観がありましたが、サイドディッシュはそれぞれ味付け・香味が違ったものでしたので、お粥と一緒に楽しめました。食材の数は、目に見えて数えられた限り、22種類もありました。1日30種類以上が理想的と言われていますから、この定食だけで約7割を摂取できました。

また、別の日には、「大豆ミートの回鍋肉定食」をいただきました。こちらはがっつり系のザ・中華。ご飯に合う回鍋肉の甘辛みその味付けを大豆ミートで違和感なく堪能できました。デザートはココナッツタピオカでベースには豆乳が使用されていました。

週替わりのメニューはこのほかに、大豆ミートの麻婆茄子、大豆ミートと野菜の蒸籠蒸し、スパイシーキーマカレー、大豆ミートの麻婆豆腐があります(大豆ミートの蒸し料理は珍しいですね)。

筆者の思う大豆ミートのメリット

料理における大豆ミートのメリットは、味付けも調理法も自在なことのほかに、常温で長期保存ができて管理がしやすい点があります。しっかりした味付けをするものが多い中華料理とは相性が良く、第4の肉として活用の幅がありそうです。栄養的には、高たんぱく、低カロリー、コレステロールゼロ、食物繊維・ビタミン・ミネラル・大豆イソフラボンが豊富なスーパーフードです。個人的な意見ですが、肉の脂身を気にする人も大豆ミートなら心配無用で食べやすいと思います。

8月30日には、環境省において「サステナブルで健康な食生活に関する意見交換会」がオンライン開催され、小泉環境大臣、堀内環境副大臣、そして食のサステナビリティに取り組む企業が参加しました。その場で発表された環境省からの食生活の提案の中でも、「それぞれのスタイルで生活の中に菜食を取り入れるという選択肢もあります!」と発信されています。

食と環境の観点から始まった環境省内の菜食の試みが、脱炭素社会を目指す取組の一環として、日本各地に着々と広がっていくことを期待します。

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