レトロな街並みやお買い物を楽しめ、飲める温泉が湧き出る街、伊香保(いかほ)。東京から約2時間で行けるこの温泉の街で、ベジタリアンやヴィーガンへの対応が国土交通省関東運輸局の監督により進められました。
この事業の一環で行われたベジタリアン・ヴィーガンも楽しめるモニターツアーで体験した伊香保の魅力をお伝えする記事、その2です。
モニターツアーは、終始コロナウィルスの感染対策が十分にとられ実施されました。
「その1」はこちらから:
ベジタリアンやヴィーガンも楽しめる伊香保温泉モデルツアー(1)
今回のベジタリアン・ヴィーガン対応のモデルコースはこちら。
1日目:佛光山法水寺 → 寺院内のベジカフェでランチ → 伊香保階段散策 → 喫茶たまきでお汁粉 → お宿で会席料理
2日目:お宿で朝食 → 伊香保おもちゃと人形自動車博物館 → 田丸屋の水沢うどん → 水澤観世音 → Cafe のはなでヴィーガンケーキ→ 竹久夢二伊香保記念館
この記事では、お宿の紹介から始めます!
まずは、私が宿泊したこちらの旅館。
和心の宿大森
入り口を入るとふわりとお香の香りがし、玄関で靴を脱ぎます。床は畳が広がり、エレベーターの中も畳です。館内ではスリッパではなく足袋を使います。浴衣はたくさんのデザインから選ぶことができ、さらに幼児用の浴衣まで用意されています。
名前の通り和める要素がたくさん。
お部屋にあるお風呂も和風。目の前の山の景色を眺めながらプライベートなお風呂も楽しめます。もちろん大浴場の温泉も。さらに露天風呂もあります。
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お部屋のお風呂 -
お部屋のお風呂
そして夕食!
今回は、肉や魚介類の他に五葷(ねぎ、たまねぎ、にんにく、あさつきなど)も召し上がらないオリエンタルベジタリアンの方もいらしたので、オリエンタルヴィーガン対応の夕食でした。
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季節を感じる先付。ちまきと菱餅 -
湯葉とアワビに見立てた蒟蒻のお刺身 -
薬膳あんかけの中には大豆のお肉のそぼろ
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伝統料理おっきりこみのすき焼き -
野菜と黒豆の天ぷら -
水物
一つ一つストーリーがあり丁寧に作られていて、見るのも食べるのも大変楽しませて頂きました。
普通、料理ではなおさら魚介類やお肉が多用され、出汁にはかつおが使われています。ベジタリアン、ヴィーガン対応となると野菜ばかりを使ったお料理になりがちですが、大森さんでのお食事では、アワビに見立てた蒟蒻、おからでできたすき焼き風のお肉や大豆のお肉などを活用し、様々な工夫がなされていました。
たとえば蓋物のお料理の蕪の中にはそぼろの大豆のお肉が詰まっていたり、おっきりこみの中には車麩が忍ばせてあったり、小さな驚きと美味しさに終始喜んでいました。
おっきりこみやくわ焼は、伊香保の地域で昔から親しまれてきたお料理です。旅先でその土地ならではのお料理がヴィーガンでも楽しめること、なんて嬉しいのでしょう!
翌日の朝食はこちら。少しずつたくさんの種類のおかずを楽しむことができました。
今回私は宿泊をしていませんが、モニターツアーの訪問先の他2件の旅館さんも、オリエンタルヴィーガン対応の素晴らしいお料理を披露して頂きましたのでご紹介します。
ホテル松本楼
松本楼さんは、以前よりフードダイバーシティーのお取組みを推進されてこられ、ヴィーガンのお客様もたくさん受け入れてこられています。
流石、というお料理の数々。
和食とフレンチが合わさったコースメニューです。
松本楼さんの朝食はブッフェ形式です。ブッフェの中にVEGANと表示されていたり、ヴィーガンメニューの案内が用意されていたり、ベジタリアンやヴィーガンの人も気兼ねなく楽しむことができます。
如心の里 ひびき野
和の食材や様々な野菜が多々使われ、一つ一つ手の込んだ手作りのお料理がたくさん振舞われました。
なんて美味しそうなお料理ばかり!
さらに朝食が何とも豪華です。
ベジタリアンやヴィーガンかに関わらず、魅力的なお料理なのではないでしょうか。
私も今回訪問をしていない松本楼さん、ひびき野さんにも、次回こそ是非宿泊しこの素晴らしいヴィーガンのフルコースを味わいたいと思います!
一生懸命にベジタリアン対応、ヴィーガン対応のお取組みを進めてくださった旅館の皆さまに、本当に感謝しております。
旅館を出てからは、昭和の古き良き時代を懐かしんだり昔ながらのゲームで遊んで景品をもらったり大量のテディベアと写真を撮ったりと、とにかく何だか色々楽しめる伊香保おもちゃと人形自動車博物館と、大正ロマンを感じながらオルゴールを聴くことの出来る竹久夢二伊香保記念館へ。
この2つの博物館の良さは写真では伝わらないのと、今回の旅のテーマであるベジタリアン・ヴィーガン要素は特にないので、割愛します。
でも、ぜひ訪れて楽しい時間をお過ごしください!
昼食は、伊香保名物の水沢うどんを。
元祖田丸屋
田丸屋さんでは精進御膳を通常メニューとして提供されています。天ぷらの衣に卵が含まれているので、事前に伝えることで変更をしてもらえます。天ぷら以外の精進御膳のお料理に関しては動物性原料不使用です。
田丸屋さんではお料理はもちろん、新しくてきれいな和風の店内や中庭の雰囲気も楽しむことができます。
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小さな橋を渡り予約のお部屋へ -
何とも豪華な下駄箱!
田丸屋さんに訪れたら、おやつに田丸屋さんが経営される隣のcafeのはなへ。ヴィーガンのケーキなどが販売されています。こちらは田丸屋さんとは雰囲気ががらりと変わり、スタイリッシュなモダンなカフェです。私はテイクアウトをしましたが、店内でお茶をされる際にはお洒落な食器にも注目を!
水沢うどん街道に来たなら是非、水沢観音に参拝されることをオススメします。とってもご利益がありそうなお寺だな~と思っていたら、実際にパワースポットとしても有名だそうです。
こちらで伊香保のベジタリアン・ヴィーガン対応モニターツアーは終了。
いかがでしたでしょうか。
私は訪れてみて、さらにツアーという形で色々と連れて行って頂くことで、伊香保の魅力をたくさん感じることができました。この街がベジタリアンやヴィーガンへの対応を進められていくことを、心から応援しながら楽しみにしています。
東京からすぐの素敵な街で、ベジタリアン・ヴィーガン料理を楽しんでみてはいかがでしょう。是非訪れてみてください!
【この記事を書いた人】
川野陽子(かわのはるこ)
NPO法人ベジプロジェクトジャパン代表理事。京都大学大学院農学研究科在学中にベジプロジェクトを設立。同大学の食堂へ初めてヴィーガンメニュー導入に成功。東京都主催ビジネスコンテストTSG2016ファイナリスト。大学、企業、自治体等へのヴィーガンのコンサルティングや講演を行い、ヴィーガンの選択肢や可能性を日本で広げている。
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