こんにちは。私は法政大学第二高等学校に通う高校生です。そして実は、昨年の7月まで1年間スウェーデンに留学していました。その時のクラスメイトの4分の1がベジタリアンで、そこでこのライフスタイルが自分の中で当たり前のものになりました。ですが、留学生活で一度「ベジタリアン」を強く意識した経験があります。
「日本に行きたいけど私が行けるか分からない」
何気なく、今度日本に来てよと言った言葉への友達の返事でした。実はその子はベジタリアンで、日本には自分が食べれる物があるか分からないと言うのです。私はその時初めて、「食」が日本に来るときの壁になっていることを知りました。その時の衝撃が今も、私が活動する原動力になっています。
前置きが長くなりましたが、今回は昨年11月に開催されたSDGs文化祭について紹介します。
SDGs文化祭は、SDGsに強い関心を持つ中学生・高校生が自らの意志で参加し、学校や学年を越えてグループを作り、アクションした結果の発表の場です。
SDGs(エスディージーズ)とは、2015年の国連サミットで採択された“2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標”です。
こう聞くとなんだか難しく聞こえますが、つまり、この世界を誰にとっても生きやすい素敵な世界にするために、国を超えて皆で協力していこう!という目標です。
このSDGsの注目すべきところは、当時国連に加盟していた193の国の全会一致で採択されたという点です。
話はSDGs文化祭に戻りますが、実はこのイベントが、私が「ベジタリアンのサポートをしたい!」と思ったきっかけなのです。
7月の最初のミーティングから全部で三回の集まりがあり、11月16日が最後の総まとめの発表の場でした。
当日は、企業の方や一般の方を含め、約100名の皆様にお越し頂きました。
朝からドキドキでマイクを持つ手が震えていたのもいい思い出です。(笑)
高校の友人たちも、試験勉強の合間を縫って来てくれました。
皆さんありがとうございます。
私は、「ちょっと優しい日本の未来~ライフスタイルの多様性~」というタイトルでポスター発表とワークショップを行いました。
ポスター発表では、「日本にはベジタリアンやヴィーガンに対して壁がある。」をテーマとして取り上げ、その問題点やそれに対して自分が取り組んできたことを中心に発表しました。
「ベジタリアン」
今の日本には、この言葉に一歩距離をおいてしまう人がいるのも事実です。
私は参加者の方々が自分ごとにしやすいよう、“東京2020”や“だし文化”等、身近に感じやすいキーワードを出しながら話すことを心がけました。
またワークショップでは、ヴィーガン菓子の試食やヴィーガンマークが付いている商品を手に取ってもらい、実際の体験による発見を大切にしました。
「麩のように乳製品が入ってないように見える商品でも、原材料表記が読めない外国人の方等にとっては分からないんです。だからマークは大切なんですよ」。
山形屋さんの仙台麩を紹介すると、皆さんから「確かにー!」という声が上がりました。
ワークショップを行うのは初めてだったのですが、参加者の方のリアクションや意見を直に聞けたのが自分にとって良い刺激になりました。
ブースに来てくださった方々は、仕事でベジタリアンが多い国によく行く人やベジタリアンという名前だけ聞いたことがある人、本当に様々でした。
自分のプロジェクトに対しては、好意的な意見が多かったのですが、考えさせられるご意見や自分が思いつかないような視点からの考えもたくさんいただき、自分自身にとってもたくさん学ぶことがありました。
例えば、「ベジタリアンが多くなると伝統的な食文化が薄れるのでは」や「日本人は無宗教だからこそベジタリアンを受け入れる見込みがある」等がありました。
このように人それぞれ考えは十人十色でしたが、皆さんの話の中で一致していたのは、「まず知ってもらうことが大切」ということでした。その上で、個々がそれぞれで選択できる社会になると良い、という意見が多かったです。
私は、このイベントで様々な人が「ベジタリアン」という言葉やライフスタイルについて考えてくださったことを嬉しく思っています。
私が創りたい未来は、「誰もが自分らしく生きられる社会」です。
その第一歩として、現在「ベジタリアンの選択肢がある社会」を目指し活動しています。
しかしながら、最近は自分達が活動することで逆に取り残されてしまう人がいるのではないかと悩むこともあります。
今回のイベントでは改めて、初心を忘れてはいけない、この活動をエゴにしないように気を付けなければならないと強く感じました。
今回は発表者としての参加でしたが、自分にとっても学びが多い場となりました。
これからも、 「ベジタリアンの選択肢がある社会」 のために、自分でできることを探して一歩一歩進んで行こうと思っています。
「ちょっと優しい日本の未来」。さて、どんな未来でしょうか。皆さんもご自身で考えてみて下さいね。