ベジタリアン・ヴィーガンの情報サイト

アク抜きのススメ – 葉野菜で気をつけたい硝酸態窒素とシュウ酸

528 0

野菜をより安全に安心して食べるために心がけたい、食材の下処理。

「アク抜き」を実践する方は多いと思いますが、改めて、なぜアク抜きが必要かご存知でしょうか。
悪者のイメージが強いアクですが、一括りにアク(灰汁)と言っても、植物によってその量や成分は異なります。人体に有害と言われることもある成分もあれば、実はポリフェノール類で構成される有益な成分もあるのです。
今回は、食卓に並ぶことも多い葉野菜を食べる上で気を付けたいアク成分「硝酸態窒素」および「シュウ酸」と、それらのアク抜き方法についてご紹介いたします。


==============================================

葉野菜に多いアクの成分 硝酸態窒素及びシュウ酸とは?

==============================================
アクとは一般的に食物の苦み・渋み・えぐみとして感じ、酸化や褐変(植物の色が褐色に変化すること)の元となる成分を指します。

植物によってその成分が異なるアクですが、葉野菜に特徴的なアク成分がいくつか存在します。

その一種に、「硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)」という人体に有害とされる成分があります。

これはもとは土中に存在している窒素です。植物は、この硝酸態窒素を葉っぱや灰汁として取り込み、光合成によって造られた糖分と合成してタンパク質に変えます。そしてこのタンパク質が人間や動物に利用されているのです。

自然に存在すると思われる硝酸体窒素ですが、現代の農業では化学肥料の使用量増加に伴い、硝酸態窒素の排出量も増加傾向にあります。空気中の硝酸窒素は土中に蓄積されることから、現代では植物の葉っぱや茎に取り込まれる硝酸態窒素の量も増加傾向にあるのです。

野菜には、自身の成長に必要な量以上の硝酸態窒素を吸収して、茎や葉っぱに溜める性質があるため、光合成が不完全な場合、過剰な硝酸態窒素が野菜の中に残留していきます。幸いなことに野菜を通常摂取する程度では、硝酸態窒素の人体への影響は指摘されていません。しかし、硝酸態窒素を多量に摂取すると一部が口腔内や腸内の細菌によって亜硝酸塩という物質に還元され,それが発ガン性物質であるニトロソアミンの生成に関与すると言われているのです。

硝酸態窒素の多い野菜には、ホウレンソウ、シュンギク、チンゲンサイ、ターサイなどが挙げられます。これらの野菜を生食をする場合には一度の摂取量に注意が必要です。

特にホウレンソウは、有機栽培では慣行栽培のものに比べ約2倍の硝酸を含んでいます。そのため俗に言う「オーガニック」なものなら特に、硝酸の残留を減らすアク抜きをすると良いとされています。

その他の葉野菜に特徴的なアク成分に、「シュウ酸」があります。

シュウ酸はえぐみの原因と言われており、体内に取り込まれるとカルシウムと結合して、不溶性のシュウ酸塩という成分を生成します。これがカルシウムの吸収を阻害すると言われています。また水溶性シュウ酸の過剰摂取は、尿路結石の原因となる可能性も指摘されています。 

シュウ酸の多い野菜には、ホウレンソウ、タケノコ、サツマイモ、ブロッコリー、ナスなどが挙げられ、これらの野菜を生食する場合にも一度に多量を摂取しないよう注意が必要です。


では、これらのアク抜きにはどんな方法があるでしょうか。いくつかありますが、今回はお湯と水を使った手軽なアク抜き方法を紹介いたします。


================================

茹でおよび水さらし方法 

================================

ここからは、お湯と水を使ったアク抜き方法をご紹介します。

1.鍋にたっぷりの水(1.5L程度)を入れて沸騰させ、食材を根元から入れて1分間程度茹でます。

2.取り出したら、さらにたっぷりの冷水(1L程度)に30秒程度晒し、水気を切って完成です。

ある研究では、この方法で硝酸イオンの残存量が、生の状態の50~80%程度に減少する結果が出ています。


※ホウレンソウの場合:他の葉野菜よりも長い時間が推奨されますが(茹で時間5分でシュウ酸が50%の残存量となる)、食感や色味を維持するために、基本は茹で水を増やし、茹で時間は5分以内が望ましいです。

今回は、葉野菜を摂取する上で気を付けたいアクの成分である「硝酸態窒素」及び「シュウ酸」と、そのアク抜き方法を紹介いたしました。少し手間はかかりますが、アク抜きを行うことで人体にとって有害とも言われる成分が減少し、身体にかかる負荷の軽減や栄養素の吸収を高める効果が期待できます。お料理の際にアク抜きを取り入れて、安全に効率的に野菜から栄養を摂りましょう!

出典;

・小窪正樹『食物と健康と霊性』サティヤ・サイ出版委員会、2010年
・市販緑葉野菜の硝酸およびシュウ酸含有量(https://core.ac.uk/reader/196704860
・内閣府食品安全委員会(https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/f04_nitrate.pdf
・尿路結石症の食事(再発予防)(https://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/urol/25.pdf

【関連記事:野菜料理のレシピ】
おうちでも本格的な味を。 3stepの簡単ヴィーガンスパイスカレー
手間をかけず深い味わいを出す!ヴィーガンの真昆布だし(レシピあり)
サンジルシ『合わせみそ』/和洋中何でも使えるヴィーガン合わせみそのご紹介