菜食の栄養管理術「楽しく!美味しく!美しく!」

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栄養管理・療養食ガイド 一政 晶子さんの記事から、栄養学的にみたベジタリアンの利点や注意する点について説明します。

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私もこれまで、妊娠中のベジタリアン、透析中のベジタリアン、がん治療中のビーガン、ビタミンB12が不足して神経障害が出たビーガン、子供がファッション的にベジタリアンをやって栄養不足になり困っている母親など、様々なケースのベジタリアンを見てきました。ベジタリアンには多くの健康的な利点がありますが、栄養の知識が無いと健康に支障が出る場合もあります。

今回は健康効果と栄養学的に注意したい点をご紹介します。

きちんと計画されたベジタリアン・ビーガン食は栄養学的に十分な栄養を補うことができ、心筋梗塞、高血圧、糖尿病、直腸がん、前立腺がんなど一部の病気の予防や改善に役立つと考えられています。がんとベジタリアンについては様々な研究が行われていますが、肺がん、乳がん、子宮がん、胃がんでは、ベジタリアンとベジタリアンでない人に有意差はないという見解もあるようです。ベジタリアンの健康効果は、飽和脂肪酸、コレステロールの摂取が少ないこと、そして多くの食物繊維、マグネシウム、カリウム、ビタミンC、葉酸、カロテノイド、フラボノイド、フィトケミカルを摂取できることにも関連しているようです。ただし、ベジタリアンはきちんとした栄養管理をしなくては栄養素が不足してしまうこともあります。
ベジタリアンの人が注意するべき栄養素である・・・

たんぱく、オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)、鉄分、亜鉛、カルシウム、ビタミンB12そして妊婦・授乳婦とベジタリアンについて順に説明します。フィチン酸やシュウ酸など、特にベジタリアンの栄養管理で注目される栄養素なども含めてお話します。

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たんぱく質の摂り方

豆はベジタリアンの強い見方。ベジタリアンの妊婦やスポーツ選手でも十分なたんぱく質を摂取できます。ただし、植物性たんぱく質は動物性たんぱく質より吸収率が低いので、摂取量に注意を払う必要があります。豆・大豆を十分に食べない場合は、必須アミノ酸が不足する可能性がありますので気をつけましょう。

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)の摂り方

ベジタリアンはオメガ3脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコモヘキサエン酸)の摂取が少なめになりがち。これらの栄養素は目、脳、心臓の健康などに役立ちます。植物性食品から摂取できるオメガ3脂肪酸であるALA(α-リノレン酸)の一部はEPA・DHAに変換されますが、その変換量は個人差が大きいものの10%程度と言われています。特にビーガンでは血中EPA・DHAが少ないという報告もあります。
よって植物性のEPA・DHAサプリメント、EPA・DHAが添加された機能性食品を摂取するのも1つの手段。少なくても十分なALAを摂取する必要があります。ALAはフラックスシード、くるみ、キャノーラオイル、大豆などに含まれます。特に妊婦や授乳婦の場合は、赤ちゃんの発達に必要なEPA・DHAが十分に摂取できているか、細心の注意を払う必要があるでしょう。

鉄分の摂り方

植物性の鉄分は、調理法や食べ方の組み合わせにより吸収率が大きく左右されます。吸収率は、フィチン酸、カルシウム、コーヒー、お茶、ハーブティーなどによって下がってしまいます。ベジタリアンの人だったらよく聞くはず「フィチン酸」。例えば玄米には多くのフィチン酸が含まれますが発芽玄米だとそのフィチン酸がほとんど失われます。発酵食品である納豆、味噌、テンペなどは体への鉄分吸収率を改善させます。豆・穀類を水に浸し発芽させて食べたり、発酵食品と合わせて食べる方法は、ベジタリアン食が昔から普及している国などでは食の知恵として広く普及しているテクニックでもあります。ビタミンCは鉄分吸収を改善しフィチン酸の阻害を抑える働きもあります。鉄分について色々書きましたが、工夫しても植物性鉄分の吸収はどうしても低くなりがちですので、一般的に推奨されている鉄分量よりも多く摂取する必要があるでしょう。

亜鉛の摂り方

ベジタリアン食はフィチン酸が多くなりがちなので亜鉛の吸収が低下します。ベジタリアンの中でも、玄米など精製されていない穀物や豆を日常的に食べる人は、亜鉛に限らずミネラルの摂取量に注意する必要があります。亜鉛は大豆、豆、穀物、チーズ、ナッツ類に含まれます。ここでも豆、穀類、種を水に浸して発芽させるというテクニックを用いると亜鉛吸収率を改善することができます。菜食主義者では精製されていない穀物等を好む傾向が見られるようですが、白米など精製された食材も取り入れるとよいかもしれません。

カルシウムの摂り方

食塩の多い食事はカルシウムの損失を助長します。一方で、野菜や果物に多く含まれるカリウムやマグネシウムは尿中へのカルシウム排出を抑えます。シュウ酸の少ない緑の野菜であるブロッコリー、白菜、青梗菜などは吸収率の高いカルシウム源。吸収率としては牛乳よりも高くなります。一方、シュウ酸の多いほうれん草などに含まれるカルシウムは吸収率を下げてしまい、カルシウム源としては適していません。またフィチン酸も吸収率を下げるので、フィチン酸対策も検討してみて下さい。

ビタミンB12の摂り方

ベジタリアンの栄養と聞いて一番最初に思い浮かぶのがこの栄養素のはずです。ベジタリアンでも卵・乳製品を食べる人は十分に摂取できますが、卵・乳製品を食べないベジタリアンは細心の注意を払う必要があります。大豆の発酵製品などをビタミンB12源としている人もいるようですが、供給源として頼るべきではありません。イースト(酵母)、ビタミンB12のサプリメントなどに頼るしかありません。ビタミンB12の欠乏は様々な神経障害を引き起こし、きちんとした治療が必要になります。

妊娠中・授乳中のベジタリアンの注意点

きちんとした栄養計画を立てている場合、乳製品を食べるベジタリアン、または卵・乳製品を食べるベジタリアンは妊娠中・授乳中も十分な栄養を摂取することができます。ただし妊娠中・授乳中のビーガンに関する研究はあまりなく、影響があまり分かっていません。妊娠中・授乳中は必要なカロリーたんぱく質を摂取が大切なのはもちろんですが、ビタミンB12、EPA・DHA、鉄の摂取量に細心の注意を払う必要があります。上でも説明しましたがEPA・DHAは胎児の目や脳・神経の発達に欠かせません。
生まれてきた子供はしっかりとした栄養プランがあれば、全てのタイプのベジタリアン(生の食材のみを食べるローフード食ベジタリアン以外)で成長に必要な栄養素は取れると考えられています。体重や身長は、卵・乳製品を食べるベジタリアンとそうでない子供とでは大差はないとされていますが、子供の時からビーガンだと標準内ではあっても小さめだという報告もあります。

しっかり栄養管理をしながら様々な食スタイルを楽しみましょう!

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Source: All about 健康・医療

Posted by Vegemon

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