タイのベジタリアン週間

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今年もこの季節がやってきました。タイの齋食(菜食)週間です。タイ語でギンジェーと呼ばれるこの期間、ほんの9日間だけですが菜食をする人たちがいます。元々は南部に移住した華僑が始めたといわれていますが、旧暦9月1日からの9日間を菜食で過ごし、身を清めるそうです。今ではタイ全土の主に「中華系」の人たちの間で行われています。

齋食食材があふれる時期

この少し前の期間になるとセブンイレブンやスーパーに黄色の旗が飾られ、ギンジェーのコーナーができます。それをみて「おお、今年ももうすぐギンジェーか」とわくわくしながら、棚にあるものを物色するのが習慣となりました。厚揚げやクラッカーなど日ごろから見かけるものや、菜食レストランや食材店でしか見る機会がない小麦たんぱくなどから作られるベジミート、椎茸スープのカップラーメンのように普段はほとんど見ることのないものまで様々です。

屋台の様子 ©kinaddhatyai

屋台の様子 ©kinaddhatyai

そんな時期に会社の行事などで食事会や社員旅行などがあると大変です。ギンジェーをする人たちの習慣を否定することはできません。人生観や宗教観とも密接に結びついているものなので、きちんと対応するのがタイ式消費者擁護…と言えるでしょう。

齋食という選択肢

以前、この時期にスタッフ全員参加のディナーパーティーを開催したことがありました。会場はバンコク市内のホテル。齋食週間であることをすっかり忘れていたオーガナイザー(私)でしたが、ホテルの担当者が「この期間はギンジェーにあたりますので、齋食する方には特別メニューをご用意いたします。テーブルも分けておきますので、事前に人数をお知らせください」と言われてびっくり。

タイのキンジェー ©flickr

タイのキンジェー ©flickr

日本ではこうはいきません。「わがままだ」「食えないわけじゃないんだろ?だったら食えよ」「食べても死ぬわけじゃない、贅沢言うな」なんて一方的な言葉が飛んでくるのではないでしょうか。誰でも一度や二度、同じような経験をしているかと思います。最近では「アルハラ」とよばれる、お酒を飲めない人にアルコールを強要することが有名ですが、このような強要をする人はどこの職場でも1人や2人いるものです。菜食主義者に対しても同じようなことを言う人がいる、というのもよく聞く話です。

キンジェー屋台 ©flickr

キンジェー屋台 ©flickr

しかしここはタイランド、日本ではありません。私はホテルからの申し出をありがたく活用することにしました。もちろん会社の上層部にも説明をして了解を得たうえで事前アンケートをとり、10名ほどの希望者のために別テーブルを用意してもらいました。ほかのスタッフはビュッフェスタイルでしたので、そちらのお料理と交わらないようあらかじめテーブルに特別メニューを用意してもらいました。そしてスタッフ全員でパーティーを楽しむことができました。ギンジェー中のスタッフが参加できたこと、そして配慮してもらえたことを喜んでいたのが印象に残っています。

食べてみなくちゃわからない!

最高級ホテルというわけでもなく、宴会としては中程度の規模&金額だったと思いますが、ここまでするのはギンジェーというものがタイに深く根付いている習慣である証拠。この期間ギンジェーをしている人を排除せず、普段なかなか食べる機会のないメニューに挑戦してみるのはどうでしょう。中華街まで行けば街中が赤で「齋」の字を書いた黄色い旗であふれていて、たくさんの齋食料理屋さんが出ています。あのお祭り気分を味わうだけでも、タイの別の側面が見えてくるんじゃないでしょうか。

ちなみに海老に似せた蒟蒻の入ったトムヤムスープを食べるのが私の齋食週間における楽しみです。おいしいんですよ、これが。

 

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